ビアトリクス・ポター
ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターは、1866年ロンドンに生まれました。ピーターと仲間たちの世界は、ポターが幼い頃避暑にでかけた湖水地方での生活を背景にしています。自然の中で、ポターは動植物を観察し、スケッチしました。キノコの研究に関しては論文を書くほど優れた観察眼を持っていたそうです。ポターは、愛する湖水地方が開発され、その風景が破壊されるのを防ぐため、絵本の売上金で数々の農場を買い取り、ナショナル・トラストに寄付しました。
映画『ミス・ポター』は、ポターが女性としてどのように生きたのか、『ピーターラビット』の誕生までやその子ども時代を盛り込み、その恋を中心に描いた映画です。ポターは39歳の時に『ピーターラビット』の出版元であるウォーン社の編集者からプロポーズされ婚約を交わすのですが、彼はすぐに病気で急逝してしまいます。その後、47歳で、弁護士ウィリアムと結婚するのですが、当時の女性としては遅い結婚といえます。アッパー・ミドル階級の女性として、結婚し家庭を築くことが良しとされていた中、独身女性としての生きにくさを感じつつも妥協せず、ついにはピータ・ラビットの作家として自立し、愛する自然をそのままに残したいという願望も自分の経済力をもって実現させたその生き方は、格好良く見習いたいものでした。
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