2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

お姫様と私

昨年亡くなった若桑みどり氏の『お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』を読んだ。ジェンダーはどんな学問をしていても到達するだろう問題ではあるけれど、彼女のことは美術史の人とばかり思っていたので、ジェンダーの分野でも幅広く活…

踏切のある風景

石田千著『踏切趣味』を読んだ。視力を失った者として、石田さんの肩に摑まりながら都心の下町をぐるぐる巡って帰って来たような気分だ。石田さんの見たものの詳しい描写が彼女の視線の移行に伴い、平均すると2行くらいで段落を変え並んだ文章なのだけれど、…

母たちの村

『母たちの村』は、ウスマン・センベーヌ監督による西アフリカの女子割礼(女性性器切除)を取り扱った映画だ。そのようなことが現在も行われている地域があるということは知識としてのみ知っていたけれど、どのように行われるのか、なぜ行われているのか、…

レッカリーとアイスワインのこと

食べたことのない輸入菓子をみると、つい味が気になりいろいろ買いたくなってしまうので、なるべく輸入食品の店に行くのを控えています。でも、先日、知人に付き添って輸入食品店に入ってしまい、案の定結構な金額になる量を購入してしまいました。 いくつか…

すてきなお母さん

ローラ・インガルス・ワイルダー、エリナー・ファージョン、ヨハンナ・シュピーリ、ケート・グリーナウェイ、ルイザ・メイ・オルコット、ルーマー・ゴッデン、ビアトリクス・ポター、ジョルジュ・サンド、イーディス・ネズビット……。目次を全て書き写したく…

元祖ゴジラ

川本三郎著『今ひとたびの戦後日本映画』を読んだ。紹介されている映画は既に観たことのあるものがほとんどだったのだけれど、映画を観ただけでは読み取ることが出来ていなかった戦後の日本人の心情や歴史的背景が詳しく説明されているこの本を読むことで、…

学生時代の自分に教えてあげたかった本

ヴァルター・ベンヤミンの『教育としての遊び』を古本屋でみつけ、300円という破格の値だったので二冊目になるけれど入手した。ベンヤミンが「はじめて満足のゆく文章」と呼んだという《経験》という文章や《学生の生活》という文章が収められており、これら…

カルスタ

しばしばカルスタと揶揄され、批判の対象になったりもしてるカルチュラル・スタディーズのこと、実はよく知らないな、と思い、マンガ版の入門書『INTRODUCING カルチュラル・スタディーズ』を読んでみた。訳者によるあとがきで推薦されている多くの本の中に…