2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

思い出はうたと共に

石井好子さんの自伝的エッセイ集「思い出はうたと共に」を読んだ。石井好子さんの歌声が好きで、CDはほとんど持っている。DVDも購入し、映像でも石井好子さんをみて、そのおおらかで明るい雰囲気がますます好きになった。「巴里の空の下オムレツのにお…

Bellissima

ヴィスコンティの『Bellissima(ベリッシマ)』をみた。1951年の作品である。 Bellissimaは、イタリア語で美少女という意味で、娘を子役スターにしようとする母親の物語だ。主演は、「無防備都市」のアンナ・マニャーニ。彼女はこの役で、イタリア銀リボン最…

天青石と輝安鉱

久々に鉱石を購入した。マダガスカル産の天青石とルーマニア産の輝安鉱。昔は、よく鉱物の即売会に出かけて鉱石を収集していたのに、最近5年くらいは、わざわざ出かけて買うことはしていない。即売会に行くと、ついつい5000円以上とかする高値の鉱石でもたく…

プレカリアート

プレカリアートは、イタリア語の「precario(不安定な)」と英語の「proletariato(プロレタリアート)」を組み合わせた言葉で、2003年、イタリアの街路に落書きされたことから広まったようだ。不安定な雇用状況にある人々の総称である。私も、プレカリアートだ…

吾妻ひでおと新井素子

誤解されていることの大半は、誤解のまま修正されることなく、人は、いろんなことを誤解したまま死を迎えることになるのだろうな、と思っている。でも、私のしていた誤解の中で、最近修正されたことがひとつある。吾妻ひでおと新井素子が夫婦ではなかったと…

家庭の医学

1時間ちょっとで読むことができる薄い本だ。「家庭の医学」という事典風の題に似合いの目次で、【貧血】とか【嘔吐】などと名づけられているのが面白そうだな、と読んでみた。語り手の母親の死について、病気になって死ぬまでの過程が描写も生々しく綴られて…

アップルパイ

今日、アップルパイを買った。アップルパイをみると、尾崎翠の『アップルパイの午後』という戯曲形式の小品を思い出してしまい、ついつい買いたくなってしまう。この題名、なんて素敵なんだろう。そして、もちろん、内容も。兄と妹と友達と、登場人物は三人…

Lost Generation

私は、多分大多数の人がその名を耳にしたことがありどんなところか想像できるような、とある企業の非正規職員として、平日働いている。一人暮らしには厳しい薄給ゆえに、土日も派遣の仕事をすることが多い。薄給と言っても、私の働いているところが特別待遇…

赤い文化住宅の初子

映画の紹介文は、「赤毛のアンが大嫌いな初子という少女がいました。」という一文ではじまっている。「赤毛のアン」が大好きだった私は、敏感にこの言葉に反応してしまった。「赤毛のアン」が好きなことは、小学生だったときも、今も、なんとなく恥ずかしく…

タイトルについて

ブログをはじめることにした。タイトルについて。「カメと散歩する」という意味。1800年代半ば、パリのフラヌールは、「カメを散歩させる」ことを優雅だと考えていたようだ。フラヌールとは加速する近代化の中でゆったりすることを好み、街や通りをぶらぶら…