吾妻ひでおと新井素子
誤解されていることの大半は、誤解のまま修正されることなく、人は、いろんなことを誤解したまま死を迎えることになるのだろうな、と思っている。でも、私のしていた誤解の中で、最近修正されたことがひとつある。
私は、ちょっと前に話題になった『失踪日記』で吾妻ひでおの面白さを知ったくちで、その後、何作か読んでやっぱり面白いな、と、ファンになっている。
吾妻ひでおのファンになったため、『ひでおと素子の愛の交換日記』を手にとるに至った。
小学校高学年の頃は、新井素子が好きだった。好きなのに、どうしても読みたくなかったのが、他でもないこの吾妻ひでおとの共著、 『ひでおと素子の愛の交換日記』シリーズだった。「うわー、恋人との交換日記を自分から公開するなんて、ちょっとセンスないなぁ。」と勝手にショックを受けた気がする。中身をきちんと読むこともなく・・・。他にもあった、新井素子の結婚物語シリーズや、新婚物語シリーズもそんなに読む気になれなくて、きちんと読んだ作品が偏っているため、誤解は誤解のままだった。
きちんと読むと、これは恋愛の話でもなんでもなかったのに、私は、それを本当に恋人同士の交換日記だと思っていた。で、誤解したそれを読む気がしなかった理由として考えられるのは、私は、当時、恋愛に興味がなかったということだ。もしかしたら、恋人がいない当時の私は恋人のいる人に嫉妬心を抱いて恋愛に関する物語を読みたくないと思っていたのかな、とも考えたけれど、恋愛に興味を持てるようになり彼氏が出来ても別れても、ふってもふられてもどういう状況のときも、その手の話にはあまり興味をもてないままにいる。(子育て日記風のものにも興味がもてない。)
というわけで、私の頭のなかでは、ひでおと素子はラブラブだから結婚した、ということになっており、『失踪日記』を読みながらも、新井素子さん、大変ね、と思っていた。
同じ誤解をしている人は、結構いるのではないかと思う。
- 作者: 新井素子,吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1987/01
- メディア: 文庫
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