2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

グミベアーと王様

ミヒャエル・ゾーヴァの画は、映画『アメリ』で、アメリの部屋にも飾られているし、どこかで目にしたことのあるという人は多いと思う。彼が挿絵を描いているアクセル・ハッケの本、「ちいさなちいさな王様の話」を読んだら食べたくなるお菓子はグミベアーだ…

子供の十字軍

『子供の十字軍』という本を手にとり、「確か、少年十字軍ってあったよな・・・あれ、それとは違うのかな」などと思いながら読み始めた。1941年にベルベルト・ブレヒトが書いた詩である。山村昌明の銅版画とともに、たった一篇の詩ではあるがきちんとした一…

文章に書かれた貧乏

あまりにお金がなくなりすぎて、赤瀬川原平(選)『全日本貧乏物語』を読んで参考になる箇所はないか探してみた。参考にはならなかったが、悲惨なまでの貧乏を描いているのになぜか笑える文章が多く、皆、たくましくやっているな、と、本を読むまでは現状脱…

『批判の回路』読了メモ

粉川哲夫の『批判の回路』を読了。粉川さんが1978年から1980年にかけて書いた文章がまとめられた論集だ。 「“SF”の語源学」、「天皇制=文化装置の構造」などテーマが多岐にわたり、飽きさせられない本だった。「横断的思考のための断章」という18章で構成…

薬みたいな本

香山リカの『老後がこわい』を読んだ。女で一人暮らしをしていて、安定した仕事についていなくても、出来るだけやりたくないことをせずに暮らしたいと思っている私は、将来への不安を打ち消すために様々な思考方法を取り入れてなるべく不安を抱かないように…

リンゲルナッツという詩人

池内紀の『ぼくのドイツ文学講義』を読んで、リンゲツナッツ(たつのおとしごという意味らしい)という詩人のことを知った。池内さんが、まえがきで「大好きなリンゲルナッツとその訳者について、書くことができたのはうれしかった」と書いているだけあり、…

ゲームブックの思い出

ファミコンが売り出されたのは1983年だ。私が小学生だった頃は、ほとんどの子がファミコンを持っていた。私は、ファミコンを持っていなかったので、友達の家に行ってファミコンをやらせてもらうのがとても楽しかったことを覚えている。せっかく友達の家に行…

パチンコと日本人

外国人の目からみると日本はどう見えるのか、ということを知るのは面白い。ドナルド・リチーの『イメージ・ファクトリー』は、そういう理由でぐいぐい読むことが出来た。早速、訳者あとがきで、日本人はとりわけ「日本文化論」を好きな民族であると書かれて…