オーケストラ・リハーサル
フェリーニの『オーケストラ・リハーサル』 (1979年)を観た。フェリーニ作品の中ではそんなに有名ではないと思うけれど、ニーノ・ロータとコンビを組んだものでは最後の作品だ。もともとテレビ番組用に作られたらしく、いつものように豪華なセットがあるわけではない。それも含めて、他のフェリーニ作品とはちょっと異質な感じの作品だった。
古い礼拝堂に、個性豊かなオーケストラの団員が集まって自分の楽器について、音楽についてなどテレビの撮影に向けたかたちで語る。私は、学生時代、吹奏楽部に入っていた時期があるが、それぞれの楽器の奏者についてある種共通するイメージを持っていたりもして、「わかるわかる、こんな感じ」と笑える部分が結構あった。だから、特に音楽をやっている人におすすめしたい映画だ。
物語は、途中から、「あれれ・・・」という展開に。時代性もあるのだろうし、意図するところはわからないでもないのだけれど、前半と同じ感じで最後まで持っていってくれたらよかったのに、と思った。とはいっても、フェリーニ映画。面白いことには変わりない。イタリアを代表するような顔の人をかき集めたというキャストの顔をみているだけでも充分楽しめる。(特に、物語の導き役である写譜師の存在感がたまらなく良い) ニーノ・ロータの音楽も長時間きちんと聴くことが出来る。
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