たまには実用書


年末に向けてというわけでもないけれど、部屋が散らかりすぎたので掃除をしており、「うわー、懐かしい」と思って読んだのが『脱サラの経済学』。(掃除はもちろん中断)

発行年が2001年。私は、この本を就職したての2002年に買ったと思う。「脱サラ」というほど長年正社員として働いたわけでもなく、入社後一ヵ月ほどで早くもこんな本を買ってしまった自分のことを思い出すと、今では笑えるけれど、「あの頃は切羽詰っていたのだなぁ」と思う。ビジネス書的なものは、普段読まないけれど、たまに読むと、なかなかためになる。何かと倹約しなければ生活できない今の状況では、ビジネス書からでもどこからでも実用的な情報を収集することは軽視出来ない。

あの頃は、文字通り「脱サラ」のことのみ考えていて、「脱サラ」後の生活のことはほとんど具体的に考えていなかったので、独立開業に関する具体的な話に内容が進んだところで、読むのを中断した記憶がある。

あれから約5年、今は独立開業に向けてのプランがやや具体的になっているので、最後までふむふむと思いながら読むことが出来た。

こういう本を(途中まででも)読んで、自分の未来への希望を失くさないようにしていたのか…、と当時の自分を他人のように振り返って考える。当時、ダンディなるものにもすごく魅力を感じていた。会社生活に順応していかなければだめなのに、孤高のダンディズムに関する本などを読んで「この生活に慣れないようにしなければ」と会社が求める方向と逆行しながら働いていたなんて、自分のことながら想像するだけでも壮絶だ。それまでほとんど聴かなかったパンクロックにもお世話になったことなど考えると、就職がそれほどまでに凄まじい体験だったのだろうか、と疑問にも思いたくなってしまうのだけれど、今となってはこの本やCD等僅かに残る証拠の品からあれこれ想像するしかないほどに、記憶が薄れてきている。