ソローについて
小学校5年生くらいのとき、トルストイの「人は何で生きるか」を読んでそれまでの読書ではなかったくらいに深い感銘を受けた。中学生のときには「ガンジー自伝」を夢中で読んでいた。そして、高校のときに、ソローの「ウォールデン」を読んで、ソローは私の最も尊敬する人となった。実は、トルストイ、ガンジー共にソローに多大な影響を受けているので「ウォールデン」を読んで感動したのは当然のことだった。いろんな人の訳で読んだり、原書も読みたいと思う本はそんなにないけれど「ウォールデン」は、全部で5冊持っている。毛利律子著「ソローとはこんな人」は、小学生でも読めるようなソローの小伝だ。短いけれど、とてもよく纏められていると思う。私も、改めてソローがどんな人物だったのか、より具体的に思い描くことが出来るようになった。有能でどんな仕事も器用にこなしながらも、定職をもち名誉や財産を築き上げることに執着しなかったソローは、町の人から「わがままな暇人、怠け者、変人」と囁かれながらも、真摯に生きること、本当に専念できる仕事を求め続けた。彼は、誰もが自分自身の道を発見して進むように心がけるべきだ、と考えていた。
「急がない。という決意以上に人生にとって有益なものはない。」
「人には、それぞれ違った太鼓の響きがきこえている。君には君の音楽が聞こえる方向に進んでごらん。その響きが近かろうと、遠かろうと。」(毛利律子「ソローとはこんな人」)
このようなソローの考えは、大学卒業後もなお(心理的)モラトリアムが続き、現在までに職を何度か変え、また現在も転職活動をしている私にはとても力強く響く。ソローが森の生活をはじめたのは、ちょうど今の私と同じ28歳のときからだった。最近、映画をみてトルストイも再び読みたくなっているが、ソローもまた読みたくなった。
- 作者: トルストイ,中村白葉
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- 作者: マハトマガンジー,蝋山芳郎
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