聖なる酔っ払い
Conceda Dio a tutti noa, a noa bevitori, una morte cosi lieve e bella.(Joseph Roth)
神よ すべての酔っ払いに美しい死を与え給え
幸いにも悪い酔っ払いを身近に見ることなく子供時代を過ごしたからか、酔っ払いにちょっとした愛を感じてしまうことが多い。バーでアルバイトをした時、悪い酔っ払いもたくさん見たし、直接的に危害を受けている人の前ではとても言えないけれど、私にとって酔っ払いはあまり憎むことのできない存在だ。エルマンノ・オルミ監督『聖なる酔っ払いの伝説』の主人公アンドレアスも私が愛を感じてしまうような酔っ払い。
このアンドレアス、「テレンス・スタンプっぽい良い役者が演じているな」と思いながら見てはいたけれど、あの『ブレードランナー』のレプリカント役、ルトガー・ハウアーだったとは!観終わってから知り驚いた。そう思ってもう一度見ると確かにレプリカントのロイ・バッティだったのだけれど、それを気付かせないほどイメージが違う。すごい役者だ。役者自身の個性が役柄に勝ってしまうのではなく、役柄の個性が役者によって引き立てられている。
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