聖と怖
1947年公開、イギリス映画『黒水仙 Black Narcissus』を観た。ルーマー・ゴッデンという人の小説の映画化らしく、 『王様と私』でおなじみのデボラ・カー主演、監督は『赤い靴』で有名なマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガー。ヒマラヤの奥地に赴任した修道女の葛藤の物語だ。1947年度アカデミー撮影賞と美術賞を受賞した割と有名な映画なので、タイトルは昔から気になっていたのだが、なんというかB級ホラー映画のようだった(ちなみに『赤い靴』も私にはホラー)のがかえって面白かった。とはいえ、B級映画にデボラ・カーのような気品のあるとびきりの美女は出ないだろうから、やはり私がこんなにあっけにとられてしまったのは、時代(世代)が違うからなのだろうか。
ついひとつ前の記事にも聖人のことを書いたけれど、どうも修道士や修道女が出てくる映画は気になってチェックしてしまう。18禁のイタリア映画『修道女の悶え』もたまたま先日観る機会を得たのだけれど、エロというかホラーであった。禁欲生活を送る修道女の葛藤という意味では、この『黒水仙』も同じジャンルに入れてよいような気がする。
私の好きなフランチェスコのエロティックな部分も描いたリリアーナ・カヴァーニ監督の『フランチェスコ』。問題のシーンも狂気を感じ、少し寒くなった。セイント映画(というジャンルはないけれど)とホラー映画は紙一重だ。暑くなる季節、セイント映画も良いかもしれない。
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