【マナーの勉強】4.葬儀の費用

昨日、結婚式に必要な平均予算は約300万円と書いたけれど、今度は葬儀である。「世間並みの葬儀」に必要な額の相場はやはり約300万円だそうで、今の私には結婚も葬式も厳しいな、というのがまず単純な感想である。葬儀サービスにも松竹梅があり、これまた結婚式と同様経済力によってランク分けされる。市民葬・区民葬という市区町村が世話する葬儀にした場合、費用は抑えられるが、それでも約16万ほどかかる。生活保護受給者など費用が一切出せない人の場合は、「民生葬」という制度を利用することができるそうだ。
ここから「世間並み」の葬儀に戻るが、日本の葬儀の90%以上を占めるという仏式の葬儀を行うと、自動的についてくるのが戒名である。

明治の文豪は互いに戒名をつけあったというのは有名な話。現代でも、たとえば作家の山田風太郎の戒名は、自分でつけた「風々院風々風々居士」である。戒名は「あの世」での名前、遺族が故人を偲んでつけても、また生前に自分でつけてもいいのだという人。自分の戒名は仏弟子になった証し、自分でつけた戒名など偽造した入学許可証と々だという人。戒名はキリスト教におけるクリスチャンネームと同じブディストネーム、自分でつけるのは変だが仏教徒でないなら俗名でもいいという人。要は戒名に価値を見いだすか否か、である。斎藤美奈子著『冠婚葬祭のひみつ』)

ということで、戒名に価値を見いだす場合、50万、100万とランクの高い戒名をつけようと思えば思うほどお金はかかる。

野垂れ死に」に憧れても、誰かが後始末をしなければならないことを考えると、せめて火葬費用相当の現金(20万円)くらいをポケットにいれておかなければ、人にかかる迷惑が大きくなるというから野垂れ死にも大変だ。

映画のように死にたいとか、葬儀に使う写真はこれで、とか、葬儀のときに流したい音楽、遺品の分配など自分自身の葬儀について面白く考えたこともあるが、ここまでお金がかかるものかと知った今からは、あまり愉しく考えられない。

さて、死後の住まい「墓」であるが、これもブライダルチャペル同様に、バラエティに富んだ墓が用意されているらしい。あと、最近の傾向としては夫の墓に入りたくないという妻が増えてきたらしい。更にはネット上で墓参りが出来るシステムを備えた寺や霊園、納骨堂もあるらしく、ゲーム感覚で花を備えたり、ひしゃくで水をかけたりできるとか。

まぁ、この先、私自身はいつ死ぬのかわからないけれど、どんどんセンスの悪いことになりそうという気はしている。消えていなくなることが出来たらどんなに良いか。

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

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